ヤス#84
｢…母が死んだ｣
｢うむ…｣
｢島に留まるか…出るか…悩んでいる｣
｢ヤスよ…良い話を教えよう｣
｢何だ？｣
｢ヤスは輪廻転生を知っておるか？｣
｢生まれ変わり…か？｣｢まあ、そういう事じゃ｣
｢それが、どうかしたのか？｣
｢母様は…生まれ変わって生きておる｣
｢ほ、本当か！どこだ！どこにいる！｣
｢ふおっ、ふおっ…相変わらずせっかちだのぉ｣
｢うっ！…そう言わずに、知っているのなら教えてくれ！｣
｢うむ…｣
｢どうなんだ？｣
｢そこまでは…わからん｣
｢サトリ！｣
｢怒ったのか？｣
｢いや…そうではない。知っているんだろう？教えてくれ…頼む！｣
｢知ってどうする？｣
｢勿論、会いにいく｣
｢会ってどうする？向こうはお前の事など微塵も知らないのだぞ｣
｢そうか…輪廻転生…いや、それでもかまわん。母の生まれ変わりなら会いたい｣
｢だから…会ってどうする？｣
｢会うだけでも良い｣
｢優しい母様だったからのう…｣
｢サトリ！焦らさないで教えてくれ！｣
｢だから、知らないのだよ。母様が輪廻してこの世に在ることは分かっておるがの…｣
｢そうなのか…｣
｢だがな…｣
｢だが？
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