ヤス#85
｢うむ…母様が輪廻したのも、母様がお前に会いたいと強く思う心から起きた必然じゃ。互いが求めるのなら必ず逢えるであろう｣
｢本当か！｣
｢わしが嘘を言った事があるか？｣
｢そうだな…サトリは嘘を言わない。サトリの言う事は真実…ありがとう！サトリ…生きる希望が持てたようだ｣
｢探しに出るか？｣
｢うん！だが…どう探せば…｣
｢どこでも良い。ヤスの心の趣くまま行けば良いさ。言ったであろう。互いが求めあえば…｣
｢…分かった…俺は、この島を出る｣
｢うむ…ヤスよ…これを授けよう｣
サトリは懐から煌びやかな包みをだすと、ゆっくりと開いた。
二つの輝く粒。
ヤスには見覚えがあった。
｢それは…アイノツブテ｣
｢うむ…その通りじゃ。あのシットを倒したアイノツブテじゃ。持って行け。役に立つであろう｣
ヤスはサトリから光り輝くアイノツブテを受け取った。
ゴマ粒のような大きさだが、放たれる光は目を細めないと直視出来ない程だ。
｢サトリ…今度は何の役に立つ？…？…サトリ！｣
既にサトリの姿は無かった。
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