「好きな人が出来た。」
夜が明け、いつもと何も違わない朝がくる。
ただひとつ違うのは、夫の心の中だけ。
この世に間違いがない人間なんていない、でもそれがなぜ私の夫なのか… 理解に時間がかかる。
認めたくない…‥、プライドと、意地と何だかわからないものがぐるぐる回る。 ほんの小さな亀裂が、長年風にさらされ、大きく裂けそうになるまで、気付かない、私。
私はこの時、この非常事態を受け入れたくない、というより、サインを見逃した、自分のミスを認めたくなかったのだ。 今ならわかる。 真白な今の私なら。