どうも、皆さんはじめまして。
何か書くように云われたのですが、もともと文才と云うものがないのでしょう。皆様が興味を示めされるようなお話しはできないかも知れません。
御用とお急ぎで無い方はほんの少し私のお話しに付き合って頂けると光栄です。
えっ?
私ですか?
…そうですね。ただの平凡な主婦とでも云ったところでしょうか。
ただ、周りの方はよく美人だと誉めてくれますわ。云われて悪い気はしませんが、自分ではそう思ったことなんて…
あら、私自身の事を話してもしょうがないですね。
では、夫の話からしましょうか。
私の夫は前の奥さんを病気で亡くしていました。もともと体の弱い人だったのでしょう。夫と幼い二人の子供達を残して死んでしまったそうです。私が夫と出会ったのは三年程前になります。
殆ど私の一目惚れでした。
子供がいるということも別に気になりませんでした。
子供達も私によくなついてくれまし、夫も優しく、頼りになります。
今、私はとても幸せです。
……ここだけの話なんですけどね。
私、人間じゃないんです。
絡新婦(じょろうぐも)って云いまして、元はといえば、歳月を重ねた蜘蛛が変化したものです。
ずっと憧れてたんですよ、人間の世界で暮らすのに。
でもね…時々、我慢できなくなるんですよ。
どうしても、人間の肉が食べたくなるんです。
夫を見る度…
子供達を見る度…
頭から喰らいつきたい衝動に駆られるんです。
何故かって?
決まっています。好きだからですよ。愛しているから食べたくなるんです。
最近、夫や子供達を食べる事を考えるのが日々の楽しみになっています。
うふふ…困ったものですね。
もうちょっと子供達が大きくなるまで待って…夫共々…一緒に……。
ああ…幸せ…。