かつて誰かが言った、世界は自分中心に周るのだ、と。なぜなら、世界に自分は一人しか居ないのだから。
同じ外見、同じ喋り方をした自分が居ていても、それは自分じゃない。なぜなら、魂まで同じ自分はありえないからだ。
そして、自分が過ごした時も、また世界に一つだけなのだ。
俺は、いや俺を含めて、今いろんな母校から巣立った者達は、今空虚感に襲われているだろう。なぜなら、当たり前だった日々にピリオドがついたのだから。
どんな天才でもこの一瞬、一秒を止めることはできない。なぜなら、時は止めるのではなく、流れるものなのだから。
そして流れ去ったものは思い出となり、軌跡なる。過去という扉を開ける鍵となる。
平成十八年三月一日卒業 第二五三五五号より