「その後、父親はバラバラにした遺体をどこかに隠して一ヶ月間、1人でこの部屋で過ごしたらしい。」
「…えっ!?一ヶ月間も!?…だってさ、生きたまま2人を殺したんだろ?普通、苦痛で泣き叫ぶ2人に誰か近所の人が気付くだろ?」
不思議で仕方がなかった。
殺人が起きていた事に一ヶ月間も気付かなかったなんて…
おかし過ぎる!
「…確かに、普通ならな。でも、此処の住人達は暴力を振るう父親に心底怯えていたらしい…。
だから、2人の苦痛の叫びは聞いていないふりをしたと言う話だそうだ。」
「……!?」
俺は友達の話に悲しくなってしまった。
2人の助けを求める叫びが聞いてもらえなかったなんて…。
「そして一ヶ月間、過ごした後に殺した事を悔やんだのか、チェンソーで自分の首を切って自殺してしまった。
それで父親が自殺した事で、初めて殺人があった事が判明した。
…だけど、警察の捜査で思わぬ事が判明したんだ。
2人のバラバラになった遺体の体の部分は発見されたが、どうしても奇妙な事に、頭の部分だけは発見されなかった。」
友達の言葉を聞いて凍り付いてしまった。
奇妙で奇妙でたまらなかった。
「…あと、もう1つ…」
友達の声は震えていた。
つづく