目を開けた時、真っ先に聞こえた声で、私は完全に目覚めた。
起き上がると彼は「ひえっ」と小さな悲鳴をあげた。
・・・あたし、
何かした?
てか・・・なんでベッドにいるの?
転んでリクの上に・・・ん?もしかしてあたし・・・
寝てた!?
自分を殴りたいっ。
好きな人の上で阿呆な寝顔晒して爆睡するだなんて!!
さらにベッドに運んでくれて!!
お礼言わなきゃ。
これ以上嫌われないように。
お礼を言いたいのに声がでない。
リクのあわてふためく姿を見ていると、いつもみたいに乱暴になっちゃいそう。
・・・なんであわてふためいてるんだろう?
「リっリクゥ」
声が裏返った。
けどリクは振りむいてくれた。
「どうしました?」
真っ直ぐ、見られる。
顔が熱くなる。
でも声を絞り出す。
「あ、りがと・・・」
つっかえたけど一応、言えた。
ねえ、ちゃんと届いた?
リクは微笑むと
「どういたしまして」
と言って、また小さく微笑んだ。
今日のあたしは
いつもより素直、な気がする。
今なら、言えるかもしれない。
伝えられるかもしれない。
「リク・・・」
小さな声しか出せない。
「はい?どうしました?具合とか悪いんですか?」
彼が覗き込んできた。
微かにコロンの香りがした。
「すき・・・」
言ってしまった。