暗い、暗い……空が……ちらちらと、光が差し込む。太陽が……のぼる。ああ……夜が明けていく。
俺は、眠いまなこをこすりながら、太陽を見る。それは今まで見た中で比較できないほど、とてもきれいで……それは、俺の心をとても暖かくしてくれて……。
なぜだろう……悲しくもないのに、涙が出る。
悔しくもないのに……涙が出る。
ああ、そうか……。きっと、これが嬉しいということなんだ。
だから、俺は草をはらいながら立ち上がる、そしてその両腕をめいいっぱいひろげて、太陽の光を前進に浴びる。それは、とても暖かった。
太陽はだんだんと近づいてきて、そして、俺の体を一瞬で焼き尽くしていった。
気持ち良かった。