ちょっとしたあとに、武藤はため息をついた。 そうだ、自分は馬鹿な後輩を救うためではなく、呪咀の種を解除するために、母校である大学にいくのだ。それを忘れてはならない。「うん、そう。」 ぶすくれていた顔を止めて仕事の顔をつくる。
古賀は異性、同性種族問わず、魅了できる能力を持っている。ふつうの女の子がそれに対抗する術は、まずない。
室戸が、背中の文字の写った写真を指ではじいた。 「だよなー魅了が使えなきゃ、こんなガード堅そうな子捕まえらんねーって。しかしなぁよりにもよって厄介だな、『種』なんて」 面倒くさそうに室戸も言う「だよね、種なんて。でも彼女の『種』はまだ発芽してないからまだマシ。式がひどく歪で未完成だ」