「えーどこがぁ?組み合わせとかけっこうしっかりしてるじゃん。」
「組み合わせだけならね」「…どーゆー意味?」 うん、と武藤は頷いて、鞄から紙とペンを取り出した「図式はね、組み合わせだけじゃ駄目なんだ。既存のものだけ組み合わせても、駄目。それを発動させる時期の計算、組み式や宝石の配置、あとは呪文の小節の数っていう、いたって数学的なものなんだ。それが全部揃ったとき、完璧な発動が出来るんだ」
しゃっ、しゃっと簡単な組み合わせの式を書いていく幾何学模様の羅列と、丸とひし形、三角と八角の組み合わせをひたすら書く。 「これが完璧な図式。ほら見比べてご覧」 うえーい、とやる気のない声を出して見比べる。 「…むとーさん」 しばらくしてから、室戸が武藤に呼び掛けた。 「なにかな?」
武藤は情けない顔をした室戸の顔を覗き込む。
「なんかさっきより写真の図式が育ってるぅ」