結局ましろの強情さに負けた俺は大人しく一緒に昼ドラを見る
ベッドにもたれながらだらだらとなまったるいコテコテドラマを見ている俺に対して
目を輝かせながら…
いや、頭を悩ませながら?
食い入る様に結構な至近距離で画面を見つめている
「おい、目悪なるぞ」
「……」
……
「ましろちゃ〜ん」
「……」
シカトかよ!
「ち・び・す・け!」
俺はましろの背後に周りそんまま後ろに引っ張った
「わ!びっくりした!」
本気でびびった様子
「目ぇ悪くなるからこっちまで下がれ」
言って俺は先程の位置に戻り隣をぽんぽんと叩いた
はい!言ってましろは素直にちょこんと俺の隣に座った
あ、ちょっと可愛いかも
ましろはまだ真剣に画面を見続けている
しばらくしてCMに入ったところでましろは呟いた
「分かんない」
「…やっぱ分からんねやん」
「えー!違うよ!」
「っだ―!分かったから!揺するな!脳みそ揺れる!」
「ねぇ―何で両想いなのに別れるの?男の人違う人とデートしてるし」
不服そうにましろは俺に問いかける
「お前な―ほんまにちゃんと見てたんか?綺麗に説明してたやん」
「え!うそ!」
「慎一が真理子と別れたんは、このサヤカとかゆう慎一の婚約者が真理子に陰で嫌がらせばっかするからで―」
って俺すごい真剣に見てるみたいやん…名前覚えてもうてるやん
「真理子は慎一には何も言わんから苦しい想いをさせるくらいなら―的なノリやろ」
「ふ―ん…」
「てめ―何やその腑に落ちませんみたいな返事」
「大人って臆病だよね」
「?」
「何か相手のためとか理由つけてさ、結局は自分を守りたいだけなんだもん
ましろ、そんなの嫌い」
……
「お前…」
「え?なに?」
「実は30代やろ」
「!」
―\r
正直、
ましろの言った言葉は
俺の心に深く響いた
良い意味でか
悪い意味でかよく分からないけど
そうだ、
人はいつも誰かのためと口ずさみながら
結局誰もが救われないんだ