私の恋〜4

桃木香苗  2007-07-04投稿
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『かなちゃん出勤だよ。』
『相手は?』
『産業物産の社長』
『またぁ?めんどくさいんだよねぇ、あの親父注文が多いの、変態だよあいつは、間違いない!』
『いつものホテルだって10時には来るようにって言われたから、急いで!』
『はいはい』


私には両親がいなく、父かたの祖母に5才の時預けられた。
祖母は父がアル中になったのもパチンコ三昧で定職に就かず遊びほうけていたのも母のせいだと憎んでいた。そして母にうりふたつの私にも憎しみはむけられた。母が父と私のために昼はパート夜はスナックのホステスで休むひまなく働いて、あげくの果てに癌で死んだ事は祖母にとって関係ないらしい
私は中学に進学した頃から学校をさぼり、ほとんど家に帰らず、ゲームセンターで仲良くなった友達の家で寝泊まりしてた。
まぁ、ごくある話だ。家に帰っても食事も洗濯も自分してたし、学費や教材用具は母が命をかけて残したお金で買っていた。
祖母にとって私が家に戻らないのはありがたい事だったろう。


友達の親は何も言わなかった夜中出ていこうが酒を飲もうが煙草を吸おうが、それを買うお金はどうしたさえも聞かない、その子も孤独を抱えていた。
初めての友達。
そして初めての男。


お金が必要だった私達は同じような仲間と窃盗やかつあげでかせいでいた。
そんな事してたら地元のやくざから目をつけられ、てっとり早い稼ぎ方だと女は無理やり売春をさせられ、男はやくざの下っぱに入れられ同じような日常をやらされた。



その時から同棲していた男と一度も会っていない、発育途中の体が好きな親父達に金で買われる生活が私は始まった。

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