中学2年の夏に行われたサッカーの地区大会のことは、今でもよく覚えている。一回戦で、0対14という大差で敗退したからだ。完敗だった。なんで過去の僕は、最後まで諦めずに戦うことができなかったんだろうか。なんで過去の僕は、先輩達の最後の試合で、最後まで走りきることができなかったのだろうか。今でも忘れることができない、苦い思い出の一つである。
僕が通っていた中学のサッカー部は、年功序列が厳しく、3年生だけが試合に出ることを許されていた。しかも3年生が非常に多く、やっかいなことに不良がほとんどだった。だから誰もこの制度に文句を言う人はいなかった。ただ、その3年生が卒業した年、つまり僕が中2になった年、その状況が一変した。今度の3年生はみんな優しく、4人しかいなかった。僕ら2年生も9人しかいなかったから、合わせて合計13人。しかもその年の新入部員はなんと0。新入部員0はさすがに悲しい気分になったが、僕は不良の先輩の恐怖から解放されたのと同時に、試合に出場できる可能性が増えたことを、チームメイトと喜んだことを覚えている。ただ、もしかしたらそういう甘い気持ちが、この年から始まった、サッカー部の弱体化につながったのかもしれない・・・