nothing world

メロ  2006-03-04投稿
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『どうするの?』
声は再度響いた。

私の答えは絞り出されたようにでてきた。



その日私は世界から消えた。


『ようこそ。』
青年は言った。

私は黙って、彼の瞳をみつめた。
なんの感情も読み取れないそれはわたしに微笑みを向けた。


辺りはただ白かった。
何もない。
彼だけ。

私は尋ねた。

「ここには他に誰かいるの?」

彼の返事は早かった。

『いいえ。ここには君と僕だけ。』

「そう。」
『他に誰かいるのなら僕は君を求めたりはしない。』

―でも、誰でもよかった―私は心のなかでわかっていた。


『お願いがあります。僕に名前をつけて。』


名前?


『僕は僕に僕だけの名前をくれる人を探していた。』

「そんなの自分でつけたらいいじゃない。」
『違う!僕が欲しいのはそんなものじゃない!!』

突然の叫びに私は肩を震わせた。

『ごめん。でも分かって。……君には…君も一人になればわかるよ…』

彼は言った。
名前はいつでもいいと。
私がわかるまではいらないと…


泣きたくなった…

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