ひとかけらの奇跡

プリン  2007-07-07投稿
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ななみ…ごめん。
行けなくて…

でも俺、…


…。
「ほらー次は圭治の番だよ!」優美がでかい声で言った。
「ちょっと、聞いてる?」
「あ、ああ…聞いてる聞いてる。」俺はハッと我にかえった。

…そうだ、サークルの打ち上げの最中だった。
「ごめん、ごめん。で、次は誰の番?」
「お前だよ!てかお前ろくに恋なんてしてないでしょ?ちゃちゃとおそまつな恋話話しちゃって!」

そっか…みんなで恋話について話してたんだ。
皆が急かす中、俺は迷いに迷った挙げ句、お前の話をする事にしたんだ。話すくらい許してくれるよな。

俺は変に緊張した。
深くゆっくりと息をし、話始めた。



それは俺が高校一年の夏の事だったんだ…。


日は沈みだし、ヒグラシも鳴いていたと思う。
辺りの木々は赤オレンジ色に染まっていて、俺はそん時、ああ…夏なんだなって思った。

正直俺はモテる方ではなくて…だから余計緊張してた。

まさか…先輩に告られるなんて。

先輩の名前はななみっていうんだ。
肌がしろくて髪は少し短めだったかな。
とにかく元気な人だった。

実は先輩に憧れてた。


そんな時、急に先輩に呼び出されて、体育館で2枚のトランプを見せられた。

ハートとジョーカー。
好きならハート、嫌ならジョーカー。

選べって俺に突き出してきた。
俺は迷わずハートをとろうとしたんだ。

でも俺、気づいたら家の近くの公園にいた。

カードを引かずにびびって逃げてきちゃったんだ。
俺は自分が情けなかったよ。



続く

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