たれ目マニア☆22

じゅりあ  2007-07-07投稿
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「美紀…先輩」

(俺を好きだって?本当に…?)
まだ信じられないでいる俺の手をとる彼女。

俺はただ茫然とする…。


「キャアアアー!」

(えっ!?)
体育館裏の方から叫び声が聞こえて、それが彩の物だとすぐわかる。

俺は美紀先輩の手を振り払って走りだした。

彼女が何か言おうとしてたけど振り返らない。

(彩…!)


「やめろ!」
目の前には倒れ込む彩。
傍らに元カノの沢木と、その連れがいた。

「お前ら…どけっ!彩っ!彩!」
傍に寄って声をかける。
…気を失ってるだけみたいだ。
ホッとすると共に怒りが込み上げて…。

「ち、違うの!和也クン。私たちが来た時には…ね?」
沢木がもう一人の女を見て言い訳する。
その女も、
「そ、そう。倒れてたの!」
すげえ汗かきながら合わせる。

(信用ならねぇ…)
ただ怒りで睨み付ける。

「次、こんな目に合わせてみろ?俺が、地獄に送ってやる!」
悲鳴をあげた二人は、
「ごご、ごめんなさいっ!」と謝った。
「謝る相手が違うだろ」
「はい〜!ごめんなさいぃ」(だから違うってのに)

「もう消えろ!早く!」

何度も謝りながら立ち去る二人。

俺は傷ついた彩を、抱き締めた―。

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