クロスリング

ぱーる  2007-07-07投稿
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学校帰り。いつも通る小さな公園がある。人がいるとこなんかロクに見た事がない。

この季節、帰宅部のおれが通る時間は夕暮れで赤く染まっている。人がいない事と相まって、より寂しく見える。

いつもは気にも止めないが、ふと今日は気になった。

どうせ暇だしな…。

自分に言い訳して公園に入っていく。

公園はただ静かだった。風の音が大きな音に聞こえるほど、静寂に包まれている。

公園の中の二つのブランコ。最近誰かが使った事はあるんだろうか。どう見ても使われていないように見える。

二つのブランコのうち、自分から見て右側のブランコに座る。

キイィ…

ブランコを少し揺らす。ブランコなんて久しぶりだ。高校生が一人でブランコに乗ってるこの絵は、誰かが見てたら変だろう。

「……………」

時間がゆっくり流れる。とても静かだった。

…もう帰ろう。

気まぐれでふと寄ってみたが、やっぱり退屈だ。何もなさすぎる。当然か。帰って宿題でもしよう。

「…待って」

声がした。幼い女の子の声。遠くからじゃない。近くから。

隣のブランコを見る。するといつからいたか、女の子がブランコに座っていた。

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