いつからいたんだろう。この女の子は。
夕暮れで赤く染まってはいるが、髪は金髪のようだ。日本人ではないんだろうか。
「…おれに、なにかよう?」
「きてほしいの。一緒に」
「どこに?」
「…遠いところ」
迷子…なんだろうか。カタコトではないから、外国人ではなさそうだ。
しかし迷子にしては妙だ。いやに落ち着いている。
「迷子?君」
「ちがう…。あなたを案内する為にきたの」
なにを言ってるんだろう、この子は。どうやら、迷子ではないようだ。
と、なれば、おれをからかってるんだろうか。最近の子供はませてるっていうし、迷子じゃないなら、付き合わない方がいいだろう。
スタン
「悪いけどおれ、これから用事があるんだ。じゃあな」
ブランコからおりて、そう言うと返事を待たずに歩いて行く。少し気の毒な気もするが、迷子じゃないなら構わないだろう。
「行かせるわけにはいかない。…もう…時間がないから」
時間?また良く分からない事を言ってる。
振り返るかどうか迷った、次の瞬間、辺りが何も見えない、真っ暗闇に包まれた