君がいた物語

桜姫  2007-07-08投稿
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もう三年くらいになる。忘れようとしても忘れられなくて、好きでいる事をやめることもあきらめることもできないまま。我ながら、女々しい事は重々承知だけど。この恋だけは、最後の最後まで貫きたかったんだ。どんなにわがままだと思われても…。

「私とつきあってください。」
大学三年の夏。
サークルの前期打ち上げ。みんなで大学近くの大きな公園で花火をした日のこと。先輩が一人になったところをねらって、隣りにいって回りの雑踏に紛れる様に小さな声でそう告げた。
「え…?」
聞こえなかったのではなく、それは明らかに突然の事に驚いた反応だった。
花火の光が好きな人の顔をあわく照らす。
知ってる。
この人にとって私は妹みたいな存在。
だって、三年間みてたらなんとなく気付いちゃったんだもの。
だから、告白したところでこの人との距離は変わらない、むしろ気まずくなって遠くなるってこともわかってた。だけど…。
二か月だけ、あなたの時間を私にください。
あと二か月で、私はここを離れなくてはならなくなるから。
高橋優姫、二十歳。
余命…あと二か月。
大学三年の夏。
今、命懸けで恋をします。

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