「何してんの?」
(うわ〜!出たよ)
「あ、あのさぁ、こないだの退部届なんだけど…」
もじもじしながら答える私に対して、
「何の事?」
と言いながらドアを開ける孝。
あっけにとられてる私に「早く入れば?」と言った。
(マ、マジで!?)
あんた良いヤツじゃん!
と思ったのも束の間、
「サボるなっ!」
開始三十分で怒鳴られる始末…。
(ちょっと休んでただけなのにぃ)
周りも苦笑い。
そこに、ちょうど和也もやって来て目を丸くした。
何でって私がここにいるから。
荷物を置くとそそくさと私の元へやって来て
「退部届どうなったんだ?」と、こっそり内緒話してくる。
「それが、何の事?って言われちゃって」
…
「はぁ?」
驚いて、なぜか笑い出す和也。
しかも私の好きなたれ目で。
私もつられて笑うと、
「そこ!さっさとする!!」
またまた孝からお叱りが…。
一瞬黙って顔を見合わせると、又吹き出してしまう私達。
あぁ、戻って来たこの感じ。
突っ走って、失敗して、
でも最後にはこうなんだ。
仲間と、
そして隣で、たれ目を更に垂らした彼と―。
END