圭織は美しく妖艶な少年だ金を溶かして細く梳いたような髪に深いアッシュブルーの瞳。美しく整った中性的な顔立ちと、細く華奢な手足が危うさを醸し出す、極上の美少年だった。
ちなみに好きなものは女の子と鰤だったりする。 そして圭織は今、その麗しい容貌を最大限に変な顔に歪めながら、電話越しの主に「ばーかしんじゃえ」と桃色の唇からものすごく似合わない罵詈雑言を吐いてから、勢い良く黒電話の受話器を本体に叩きつけた。相当ご立腹のようだ。 その様子たるや、興奮した疣猪のように鼻息が荒く、肌は茹でた蛸のように赤く桃色の唇からは思い付く武藤への罵詈雑言を呟いていた。
「あの髭面親父め、僕みたいなのができるわけないじゃん。見てないの?僕のこの細腕!」