「そろそろ行きますかぁ〜」そう言って午前中たっぷりと睡眠をとった浩二はボールとスパイクをもって磐梯高校のグランドに向け出発した。浩二は夏休みに入るギリギリに奇跡的にサッカー部をつくることに成功したのだった。
「よくもまぁ一人で頑張るねぇ」そういって電車に駆け込み乗車した俺にはげまし?の言葉をあびせるのはきまって同じクラスの麻田 葉子だった。
「うっせ! お前に俺の気持ちがわかるのか?」そう言い放ちスパイクとボールを置き、葉子の隣りに座った。 さっき葉子が言ったとおりサッカー部は俺一人だけだ。一人というのはさびしいもんで部室もなければ練習相手もいない(当たり前だけど・・・) そのうえ一人だけなのでほかの部活の邪魔になり練習時間も限られている。
「あぁ〜部員ほしいなぁ」俺はせつじつな思いをぶちまけた。
「ちょっとぉ! 声でかすぎ」葉子に言われまわりを見ると全員の目がこちらにむけられていた。しまったと思い葉子を見ると葉子は赤くなり、少し怒った顔をしていた。
少しして俺達は電車をおりた。「まったく! アンタといると恥かくわ!!」葉子はそう言いつつも、いつもあそこの席に座って隣りを開けて座っている。
葉子の怒りはすぐにおさまり、学校につくまで歩きながらしゃべった。「そういえば帝都高校から転校生がくるらしいよねぇ〜」葉子がそう言った瞬間またもさけんでしまった「ええ! マジ、あの帝都高校から!!」しかし、葉子はわらってうなづいた。それもそのはず帝都高校はサッカーの名門校として全国高校サッカー選手権五回連続優勝している高校だ。
その日、浩二はうれしさのあまり12時までボールを蹴り続け両親にこっぴどく叱られた・・・・・・。
つづきます!