ミサキさんに返事をしよう。
すみませんって。
「リクいる?」
ノックもせずにセイヤが僕の家に入ってきた。
「ノックぐらいしろよ・・・」
いいじゃん別に、と奴は言って僕に歩み寄った。
「どうすんの?」
「何が」
「返事」
「・・・なんで知ってんだよ」
「ハニーから聞いた」
「ハニーって・・・」
他愛のないやりとり。でもコイツは流れをぶった切る。
「なんで逃げんだよ」
体が強張る。
「お前はアイツのこと好きだろ」
「・・・」
「好きなら、それでいいだろ」
なんで、とセイヤは小さく呟いた。
何も知らないくせに。
僕の頭に血が昇る。
何も、知らないくせに。
何故そんなことが言える?
「それでも駄目なんだよ!!!」
僕はセイヤに怒鳴っていた。
「伝えたくても駄目なんだよ」
口が止まらない。
「俺だって好きだよ、抱きしめてえよ」
「でも、駄目なんだ・・・」
目の奥が熱くなる。
涙が止まらない。
「・・・・そっか」
セイヤは呟くと、僕の家をでていった。
あいつ、いいやつだな。