俺は今しがた道を閉ざされてしまった。
それは、人や車がいきかう道ではなく自分の「夢への道」だ。
「もうお前は必要ない。」 そう言われ、なにもわからないまま今まで所属していた「チーム」を辞めさせられた。
頭が真っ白になっていた。 母親にすてられ、施設にあづけられたあと俺は走ることに明け暮れた。それが唯一俺に愛情をそそいでくれた父さんの職業だったからだ。 父さんは日本代表にまでなったマラソンランナーだった。しかし、俺が施設にあずけられる前に交通事故で亡くなってしまった。 だから俺も走って、走って日本代表になろうと今まで必死こいてきた。 でも必死こいた結果これだ・・・。
「くそ！ なんでだ！・・・・・。」
二、三日たったあと俺は住むところを捜しはじめた。
今まで寮で生活していたため、クビになった俺に住む場所はなく、辞めさせられて日も浅くブルーな俺は、今にも死にそうな顔で不動産屋を渡り歩いた。
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