依存? 〜ホムラ〜

はじめ  2007-07-13投稿
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「カヨ…?」

気付けば僕は風呂場にいた。
また記憶がなかったようだった。
慌てて風呂場を出ると変化に気付いた。

「カヨ?」

僕はベッドに横になるカヨに近づいた。

「…久遠?」

「えっ?」

僕は何が何だかわからなかった。

「久遠って誰?ホムラだよ?」

「ホムラ…」

カヨは間違いなく誰か別の人の名前を呼んだ。
それが誰なのか僕にはわからなかった。

「あ、あのさぁ俺いつ髪の色変えた?髭も生やしてるし…」

「…覚えてない…の?」

「まったく…」

鏡を見て髪型も変わっていた。

「この服…」

僕が普段着ている服と違って、体のラインが見えるような服が脱ぎ捨ててあった。

「…あ、なんかイメチェンするっていって買ってたよ」

カヨが少し慌てた様子で言った。

「…そっかぁ」

カヨの顔が少し悲しそうに見えた。

「…腹減らない?」

僕はカヨにそう問いかけると、笑って頷いた。

なんだか久々に見たような気がした。
急いで準備して、二人で部屋を出た。

繋いだ手が温かくて新鮮だった。

「…俺…最近疲れてるのかな?」

「なんで?」

「いやぁ…数日のこと覚えてないからさぁ」

「…疲れてるんだよ…たぶん」

カヨはそう言った。

「なんかカヨ綺麗になったね」

「そう?」

「うん…それに何か寂しそうな気がするけど…俺そんなにほっといちゃったかな?」

「そんなことなかったよ」

僕はカヨの言葉で少し安心した。
けれど引っかかるのが“久遠”と発した言葉。

カヨは誰か別の人といたのだろうか…
そんな疑いが微かによぎった。

そんなことよりも、今の幸せを壊したくなかった。
ただ…それだけだった…



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