行く先で携帯の着信音が鳴る度、あの女からの電話なのではないかと思い、耳を塞いでずっと逃げ続けていた。
すると誘い込まれたかのようにあのアパートに辿り着いていた。
帰りたくなかった。
でも、足が勝手に動いていつの間にかリビングに立っていた。
その時。
ピルルルルルッ…
と携帯の着信音が鳴り響いた!
「…!?」
さっき、捨ててきたのに何で?
確かに。俺の携帯の着信音だった。
どこから、聞こえてくるか確認するとあの和室から着信音が聞こえてくる!
「…ひッ」
俺はその着信音が鳴り止むまで頭を抱えて待った。
早く鳴り止め!!
頭の中はそれでいっぱいだった。
だが、着信音が鳴り止んだと思ったら留守電になってしまった。
『もしもし?俺だけど。ちょって親戚の人、なんか電話出なくてさ。
…なんか駄目みたい。』
電話をしてきたのは友達だった!
『で、最終的手段がもう明日中に引っ越ししてとりあえずそこから離れるしかないから。
だから明日のために、準備しとけよ?
…ギャアアア…
んじゃまた明日な。』
んッ?何か。今赤ん坊のような声が聞こえたような気がしたけど
ギャアアアと言う赤ん坊の声が…
俺の顔は真っ青になった。
つづく