スキ...?

千雪  2006-03-05投稿
閲覧数[309] 良い投票[0] 悪い投票[0]

しょうちゃんとあたしは同じ小学校に通っていて、親同士も仲がよかった。しょうちゃんにはお父さんが居なかったから、お母さんが働いていた。だから、しょうちゃんはよきうちにあずけられた。あたしたちはすぐになかよくなって一緒にあそんだ。いつもはうちの中でアニメを見たり、絵本をよんだりしてあそんだ。そして土日になると、近くの公園に行ってブランコに乗ったり、滑り台ですべったり…。たまにうちのおかあさんに遊園地に連れていってもらったりもした。たまにいたずらもした。一番覚えてるのは、お父さんの仕事の書類に落書きした事。お母さんが買い物に出かけてる間にあたしたちは大事な大事な仕事の書類にしょうちゃんと2人でクレヨンで落書きをした。なんか動物とか描いて「ほらぞうさん!!」「ぼくはくまさんかいたよ」なんて言って遊んでいたのだけどだけど、途中でお母さんが帰ってきて、あたしたちの落書きを見た瞬間、ものすごく怒られたから二人ともたくさん泣いた。そういえばあれからうちの親としょうちゃんの親はなんとなく仲が悪くなったみたいだった。たしかそのあとからしょうちゃんはほとんどうちにこなくなったんだった。その後、悲劇はさらに続いた。あたしたちが7歳の時のこと。しょうちゃんのお母さんが再婚することになり、しょうちゃんは引っ越しをしなければならなくなってしまったのだ。さすがに親同士もあたし達を引き離す事に同情みたいであたしたちは、しょうちゃんの引っ越しが決まってからはほぼ毎日ずっと一緒に居ることを親に許してもらった。いつもの公園であそんだり、お気に入りの本を読みあいっこした。ただ、やっぱり別れるとなると寂しかったから、あたしがたのんで最後の日の前日、しょうちゃんにうちに一泊してもらった。最後だからといって、お母さんはしょうちゃんの大好物のハンバーグを作ってくれて、二人とも「おいしいね」って言いながらそれを残さず食べた。たしかその時しょうちゃんが嫌いなにんじんを食べたから、あたしが「えらいね」ってほめたっけな。その夜、二人で手をつなぎながらベッドに入った。その時の話した会話の内容は今でも覚えている。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 千雪 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ