「超能力者の学校!?なんだそれ」
澪は依頼者からの言葉に首を傾げていた。
「その言葉使いなおしたらどうですか?」
すかさず灰から注意をされる。それを軽く無視して、澪は隣に座っているもう一人の仲間に問いかける。
「なぁ。‥‥そんな学校本当に存在するのか?」
「あるみたいやなぁ。なんや話では日本の離島の一つをまるごと学校にしてるみたいやな。」
そう答えたのは、灰の従兄弟でもあり、この探偵事務所を提供している、茅喃誠矢(ちなんせいや)である。
彼らは今、依頼者を前に依頼を聞いている。「それで、その学校がどうかしましたか?」
「え‥‥えぇ‥‥実は、今回の依頼は国のほうからまわってきまして‥‥」
「国からかっ!?」
「うるさいですよ。静かに聞いていてください。」
国からという依頼者の言葉を聞いて身を乗り出した澪は灰から叱られる。
「う‥‥すんませんでしたっ!!‥‥それでどうしたんですか?」気を取り直して話しを聞く体制に戻る。
「えっえぇ。それで、最近その学校がおかしくて‥‥」
「おかしい?」
誠矢が問いかける。
「国の問いかけに応じなかったり、国の開く会に欠席したり‥‥」「たったそれだけか?」
「いえっ!違うんです!それだけならまだいいんですが‥‥」
「なんかあるんか?」「その学校は小・中・高で、留年もない9年制なんです。でも、3年前くらいから誰一人として帰ってこなくて‥‥」
「確かに‥‥それはおかしいですね‥‥‥」3人は息を飲む。
「わかった!!その依頼引き受けた!!」
「なっ!!なに勝手に決めてるんですかっ!!?」
「せやっ!!まだあんま内容詳しく分かってへんのに!!」
澪の急な返事に2人は反対する。
でも澪は聞かなくて‥‥。
「楽しそうじゃねぇか!!やってみようぜ!!」
「‥‥もぅ‥‥いつもこうなんだから‥‥」
「しゃーないなぁ‥‥」
楽しそうに目を輝かせている澪に逆らえるはずもなく、2人はしぶしぶ承諾した。
そして、この澪が押したはんこが原因でこの物語は幕を開けたのです。