セイヤが出ていってから数分。
僕は涙を流し続けていた。
コンコン
ひかえめなノックが聞こえる。
どうせセイヤだろ。
そう思った僕は
どうぞ、と扉へ声をかけた。
入ってきたのはミサキさん。
思考回路停止
なんでなんでなんでなんでなんで・・・
「なんで・・・」
声が漏れる。
涙がまた零れる。
なんてみっともない姿。
「リク!?どうしたの?・・・なんで泣いてるの?」
僕に駆け寄るミサキさん。
差し延べられる手。
僕はそれをはらった。
「近寄らないで、下さい」
口から勝手に零れる言葉。
本当は、あなたを抱きしめたくて仕方がないのに。
「なによ・・・」
「なによこの馬鹿ーーー!!!」
ミサキさんがキレた。
眩しい。
彼女はこんなにも眩しい。
また僕の目から涙が零れる。
彼女にはいつまでも輝いていてほしい。
だから
「・・・ごめん、なさ、い・・・」
とぎれとぎれだったけど、ちゃんと言えた。
届きましたよね?
「あ・・・」
ミサキさんの目に涙が溜まる。そして零れる。
零れた雫は彼女の頬を伝い、床へ吸い込まれていった。
僕の心が粟立つ。
ほっとけない。
当然だよ。
好きなんだから。
ミサキさんを抱きしめる。
頭の中はぐちゃぐちゃだ。
「死なないで下さい」
僕の口から出たのはそんな言葉。
ああ、
なんで僕はこんなにみっともないんだ。