龍雅はシェイルから電話で仕事の依頼の詳細を聞くと静かに受話器を置いた。
龍雅はおもむろに腰を上げた。
龍雅(…今日中だと?既に俺に仕事のしやすい環境が整っているのか?)
今日中に仕事をしないといけない任務である。
龍雅は寮を出るとストライカーのガレージに向かって歩を進めた。
砂利道特有の足音が辺りを支配する。
龍雅はガレージにたどり着くとシャッターを開けながらこんなことを考えていた。
龍雅(テラ・エクステイン社…確か今回の目標は大戦初期の英雄、ザクセン=ホイヤー氏。早々に退役してバックグラウンドに回ったとは聞いているが)
龍雅はワイヤーを使い、ディア=パノスに乗り込んだ。
シートに座るとコンソールや計器が自動的に起動した。
龍雅はすぐにハッチを閉めるとバーニアを起動させすぐに発進した。
地上をホバリングしながら最大速度で走行し、目的地を目指した。
やがて、高層ビルが乱立する市街地が見えて来た。
この市街地は全てテラ・エクステイン社の本社とその関係会社で構成されている。
市街地の周辺にはそれを包むかのような超電磁フィールドが張り巡らされていた。
龍雅(なんだこれは?まるで誰かの襲撃に備えているみたいだ)
ディア=パノスは超電磁フィールドの前で立ち止まった。
龍雅(並の出力ではこれを破れまい…)
龍雅は毎度の如く左足元の小さなボックスを開き、五つのジェネレータ出力スイッチを解放に切り替えた。
ディア=パノスは各関節から激しい蒸気を発散し両手でダブルトマホークを構えた。
次の瞬間、大きく振りかぶると超電磁フィールドに向かってその刃を振り下ろした。
超電磁フィールドに刃が当たった瞬間、周囲に激しい光が辺りに拡がった。
あらゆる計器が振り切れ、龍雅も苦痛に顔を歪めた。
龍雅「…ぐぅ…あぁあああ!!」
ディア=パノスはダブルトマホークを超電磁フィールドに無理矢理ねじ込んだ。
するとその場で大爆発が起こり、黒煙が空高く舞い上がった。
その様子をモニター越しに見る二人の若い男がいた。
一人は金髪で革ジャンにジーンズ、もう一人はブロンドでピンクのスーツという出で立ちであった。
金髪の男「これで奴も死んだと思うが?」
ピンクスーツの男は妙に怯えていた。