「そりゃそうだが・・・・」
あって間もないこいつを信用していいのだろうか?
「で、どうすんの?働くの?働かないの?」
俺は先ほどの警察署でのことをふと思い出した。
今、俺が出来る仕事が少ないように、俺が選ぶことができたはずの未来は大きくえぐり取られてしまっている。
この先どこかに就職するにしても、俺みたいな男を雇うとこも少ないだろう。
未来だけでなく、俺は今を選択する力まで失われているのだ。
「・・・・・・・・・」
黙った俺を見てミネが口元をニヤリと吊り上げた。
「決まりね。今日からよろしく」
……どうやらここでは俺の人生経験から得た常識なんて通用しないらしい。
でも…ここなら俺の『人生できる限りの楽をして生きる』が現実のものとなるかもしれない。
俺はケータイを取り出すとバイト先に電話した。
電話をしながら俺は、自分がダメ人間だと改めて自覚した。