目眩の中の世界 3rd

 2007-07-15投稿
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「なんで!」
僕は思わずそう叫んだ。そしてその瞬間目が覚めてしまった。今度はこんな異常事態を忘れるわけがない。僕は学校の準備をしあの2人がこっちの世界ではどうなっているのか確かめに学校に行った。もう授業どころではない。僕は昨日食堂でマネキンになった2人と一緒にいた人を探し回った。そしてやっと見つけた。その人は教室で1人で次の授業の準備をしていた。僕はあの2人の事を聞くため、その人に話しかけた。
「あの…さ」
「はい?」
「あ、あのさ、ちょっと聞きたいんだけど…昨日昼休み、食堂にいたよね?」
「うん…」
その人は明らかに怪訝そうな顔で僕を見ていた。
「でさ、その時一緒にいた2人って今日…」
「あ、シンタロウとユウタの事?だったら今日はきてねーよ。ゲームでもやってんじゃね」
「連絡とかって取れる?」
「ん、あいつらの友達?」
「あぁ、うん、そうそう友達…なんだけど、アドレス、しらなくてさ。ハハ」
「…そっか。じゃあちょっと電話してみるから」
「あ、うん。お願い」
−電話に出ちゃったらどうすんだ、俺。
そう思いながら電話が終わるのを待っていた。
「あれ〜、つながんね〜」
−やっぱり…。
「両方電話してみたけど電話つながんねーみたい」
「そっか。ありがと」
そう言って僕はその場を去った。
やっぱりそうだった。2人はリュウイチと同じく、あの世界に捕われていた。こうなったらもう学校なんかどうでもいい。とにかくこの理解不能な状況をどうにかしたかった。僕はとりあえず家に帰ろうとバスを待った。 とその時、またあの目眩に襲われた。
−またかよ!
僕はあの世界に行くのが怖くなっていた。今まで普通にやり過ごしてきたあの奇妙な世界が。
そして、今日も来てしまった。
来てしまったものはしょうがない。とりあえず僕はあの3体のマネキンのある場所にむかった。そして、そこには確かにあの3体のマネキンが礼儀正しく並んでいた。
「おい!お前らなんなんだよ!こんなとこでなにやってんだよ!」
僕はリュウイチのマネキンに掴みかかり、そう叫んだ。
すると僕はリュウイチの手に何か握られているのが分かった。
−ん?
僕はその手を見た。



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