狂喜?

なかね  2007-07-15投稿
閲覧数[155] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「起立。礼。さようなら」
終礼が終わる。私は鞄に教科書と体育着を詰め込んだ。

「伊寄!!」
「何?」
「部活の事なんだけどさぁ…」
「それ。明日でもいい?」「えっうん…」

早く帰らなきゃ。

「じゃあね!!」
「ねぇ!!」
「何ッッ!!」
「何で最近そんなに急いでるの?」
「……クス」

「綺麗なものがあるからよ」

沙希の返事も聞かずに私は階段をかけ降りた。一分でも一秒でも早く帰りたい。私だけのモンスターのところへ。



「ただいま」

返事なんてくるはずもないけどね。だってモンスターはまだしてくれないし、親何ていないもの。だから家だけは綺麗にしようと思ってたのにな。グルッと一周家を見渡してみる。今までの心がけ何て無駄だったのねぇ。
制服を脱ぎ捨てながら2階へ上がる。
きっとこの階段の音にモンスターは反応してくれている。
だってね。部屋に入った途端に私の首に手がかかる。睨まれても、目なんか背けてやらない。何かをあさるかのようにキスをされても、拒まない。痛くても大丈夫。跡が残ったって平気。それが私の価値になるのだから。
私達はまどろっこしい前座もない遊戯が始まる。
閉鎖された空間にあえぎ声だけが響く。

これでいい。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 なかね 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ