星窪学園、放課後―\r
「今日はバイト入ってんの?」
グループの一員である、小峰優奈(ゆうな)が机に教科書をしまいながらさおりに問い掛けた。
「あ、うん。ゴメン、先に帰って」
四人の中で唯一バイトをしているさおり。
最近は他の三人と一緒に下校する事が減って来ていた。
「ダ○エー寄ってこうよ」
同じく同グループの真中里恵子が髪の毛をセットしながら優奈を見る。
「あ、私も行きたい!」
優奈が答えるより早く久留米が割り込んで来た。
「まぁ君は?」
優奈が久留米に聞く。
「友達と約束してるんだって〜」
頬を少し膨らませながら答える久留米。
それを見て優奈も里恵子も白けている。
(誰か言ってやれば良いのに…)
そうゆうさおりも何も言わないでいるのだが。
「じゃあね〜」
ああだこうだ言いながら三人は去って行った。
教室には他にも数名生徒が残っていたが、さおりは一人携帯を開く。
さっき光太郎からメールで『今から部活☆終わったら又メールするね!』と言われたのだが待ちきれないでいるのだ。
バイトまで後三十分、退屈をどう凌ごうかと机に顔を伏せた時だった。
さおりの携帯が着信を知らせる。
待ち受けには《先輩》と表示。
「はい」