「ふーー終わったぁ。」
さて、と漏らし、次は夕飯の準備に取り掛かる。 これまでに15分が経っている。
さつきは暇な時間に耐えられない?性格だからさっさと終わらせなければ、部屋に戻った時、恐ろしいことになっているかもしれない。さつきには、そういうきらいがある。
取り留めのないことを考えながら、冷蔵庫の中身を物色する和喜。
今夜は鯖味噌とポテトサラダ、ほうれん草の胡麻あえに決定。
・・・・・・・むふっ。本棚の片隅に逆に入れてある本が大量にあった。やっぱり男だなぁとさつきの脳は和喜を再確認した。
ペラペラと頁をめくり、さつきの目に留まったのは自分より4歳年上のグラビアアイドル。最近、諸メディア を通して人気なタレントで河坂由紀。
さつきはジト目で水着姿の河坂の写真を睨みつける。さっきから河坂由紀が載っている写真が妙に多い。
「和喜はこの娘(こ)が好きなのかなぁ」
年上だから娘じゃないか、訂正。
パタンと閉じ、散らかっている写真集の山を元通り、後が残らないようにする。本棚に戻し、座ろうとしたところで、本当に角(最端右、最端下)のところにまだ一冊、逆入れ本を発見した。開いた途端、さつきは真っ赤になった。KO、技名、無修正の漫画。