【2回表】
3塁ベンチ前では曾我端さんが南投手の情報を話した。
曾我端『相手の投手はさっきブルペンで見る限り、直球とカーブ、スライダーと、もうひとつ、縦のスライダーを持っていた。どれもｷﾚがあったしフォームが非常に綺麗な分、どれがくるのかわかりにくい。だからしっかりと何を打つのか決めて打ってけ！！』
一同『ﾍｲ！！』
曾我端さんの話を聞き、俺達はベンチ前で円陣を組んだ。
ｶｽﾞﾏ『先取点とるぞぉ！！』
一同『ﾍｲ！！』
円陣組んだ後、ｱｷが
『縦スライダーかぁ…まだ投げてないよなぁ？』と言った。
ﾕｳ君『うん。僕の時も投げなかったよ…』ﾕｳ君が答える。
ﾀｸ『よし。次は必ずそれを投げさせて俺がスタンドに運ぶ！』
ﾀｸがそう言ったのに対し、ﾘｭｳﾔが
『まずはｽﾄﾚｰﾄを運べや！』とツッコんだ
そして、2回が始まった。
打席には5番天堂寺。
ピッチングのみならず打撃も非常にいい。
初球。
南投手は綺麗なフォームだった。
カキーン！！
ｲﾝｺｰｽのｽﾄﾚｰﾄを天堂寺は思い切り引っ張ったが打球はファールだった。
しかし、天堂寺はしっかりボールを捉らえ、打球はレフト後方のファールゾーンまで達した。
この打球に南投手が少し驚いたかに見えたが、またすぐ振りかぶった。
2球目。
ｱｳﾄｺｰｽ高めのボール。
ｶｳﾝﾄ1-1。
三球目はスライダーに天堂寺のバットが止まる。
主審『ストラーイク』
これで2-1になった。
追い込んだ相手ﾊﾞｯﾃﾘｰ
南投手が捕手、相良のｻｲﾝに二度首を振った。
天堂寺への4球目。
ﾌﾞﾝ！！
主審『ストラーイクアウト！！』
天堂寺がスライダーと読み、踏み込んで打ちに行ったのだがバットは空を切った。
縦スライダーだった。
ベンチに帰ってきたｼｮｳは『縦ｽﾗ(ｲﾀﾞｰ)も持ってやがった』と言った。
6番、2年の橘も縦ｽﾗにやられてあっけなく三振した…
2ｱｳﾄ。
南の縦ｽﾗｲﾀﾞｰは打ち崩すのは難しい、と3塁側藤城ベンチは身をもって感じていた。
そして打席には7番の菊川が立っていた。
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