ヤス#99

チャーリー  2007-07-16投稿
閲覧数[299] 良い投票[0] 悪い投票[0]

ヤス#99
「女将、この若者は何者だね?板場につくには若過ぎるようだが…」
「ほほっ…田中さん…とりあえず、お刺身でも注文してやってくださいよ」
「ほう…造れるのかね。じゃあ、刺盛を頼むよ…えーと」
「ヤスです。平井康生と言います。宜しくお願いいたします」

ヤスはいんぎんに頭を下げると、見事な包丁さばきで刺盛を造りあげた。

「お待ちどうさまです」
「ハハハ。全然待っていないぞ。見事なものだな、平井君」
「恐縮です」
「平井君って言ったわね…あなた、おいくつなの?」
「はい。十八です。ここに5ヶ月前からお世話になっています」
「そう…その若さでね…どこかで修行されたの?」

ヤスは閉口した。これから同じ質問をされそうだ。ヤスがモジモジしていると、健さんがやってきて、事情を話してくれた。
その日は三組の常連客がヤスの前に座ったが、ヤスは全ての客名を覚えていて皆を驚かした。
仕事が終わると、ヤスはオーナーの香月からよばれた。
家の方に来いと言う。奥のドアを開けて、少し歩くと香月の住居につながっている。ヤスは前掛けを解いて玄関を開けた。

「こんばんは。平井です」
「おう。上がって来い。ヤス」
「失礼します」

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 チャーリー 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]
良い成分のみ使用
死海100%の入浴剤


▲ページトップ