【2回表2死無走者】
打席には菊川京介。
彼はミートが上手い。
タク『キョウスケ〜。2アウトからMakeしようぜ〜』
第一球。
主審『ストラーイク!』
ストレートがアウトローに決まる。流石に手が出ない…
二球目。
『ストライクツー!!』カーブがさっきと同じところに決まった。
リュウヤ『変化球も制球がいいじゃねぇか…』
ショウ『………』
アキ『キョウスケ打ってけぇ〜』
追い込まれた三球目。
カキーン。
打球は一塁線の横をゴロで抜けた。
ファールだ…
南がロージンを手に取った。
四球目。
カキッ…
主審『ファール』
キョウスケのバットは泳いだが、南の縦のスライダーを辛うじてバットに当てた。
五球目、六球目はいずれも変化球でストライクゾーンを外れた。
七球目。
カキッ…
ファール…
八球目。
カキッ…
ファール。
リュウヤ『いいぞ!粘れ!』
9球目。
ズバッ!!
主審『ボール!!!』
高めのボール球にキョウスケのバットはギリギリで止まった。
カウント2-3。
南がもう一度ロージンを手に取った。
十球目。
バン!!
『ボール!!フォア』
3塁側ベンチが沸いた。
ケイタ『いいぞ!キョウスケ!』
キョウスケはやはりくせ者だ。十球も粘り四球で出塁した。
『続け!カズマ!』
ショウが叫んだ。
カズマは初球のストレートを打ちにいったが、引っ掛けた…
これをショート伊野波が軽快に捌いて一塁へ転送した。
これで3アウト。
ネクストサークルにいた俺は守備に行く準備をした。
2回表も好投手南の前に無得点だった…
これから2回裏が始まる…
タク『そろそろ打球飛んでくるぞ』
とタクが俺に言ったので、俺は
『任せろ!!』
と言って守備に向かった。
2回裏は相手4番の中西からだ。
俺は自分に気合い入れしっかりとショートの守備位置に立った。