16『夢』
私には寝る前に頭で作り無理矢理見る夢もある。夜寝る時に親はいつもいなかった。毎日夜寝るのが怖かった。いつも早く眠りたい、目が覚めなければ寝るのが怖くないのにと思っていたくらいだった。必死で寝るには夢をみればいいと考え、怖い夢を見ないように目をつぶり幸せな夢を作る。
私の夢は、「違う異次元のお姫様で人の苦しみが解るように修行の為にこの世界にいただけで何も不自由がない世界に戻れる」から始まり毎日少しづつ寝る前に現実とコラボして話しは夢の中で進む。
夢ではどんどん幸せになれた。でも目が覚めるといつも涙が出ていた。
目が覚めると私は普通の子の様に学校へ行ったが、この夢を毎日見てなければ精神が壊れていただろう。子供を生んでからは夢の話しは進んでいない。現実の自分を否定すると現実の世界の我が子を否定する事になるからだ。
眠ってから見る夢では子供の時から何回も同じ夢を見るのが幾つかある。
いつも、「あっ、この夢前もみた」と夢を見ながら解る。1番よく見る夢は、道を歩いている夢。住宅街の道路で人通りも車も少ない。最初は普通に歩いてるがどんどん足元がおかしくなる。前に踏み出した足がバウンドするように跳ねトランポリンの様に体が浮く。 歩くとどんどん跳ねて屋根の上まで跳ねる。最初は一歩一歩、足が道路につくのでホッとしているがそのうち空中を上下で歩きだし飛行機の飛ぶ高さくらいになる。私は足がついて跳ねてる時は人に見られたら大変だとか焦り空中では、ここで落ちたら死んでしまう。下に下り方がわからず道路に足がついて歩けないと苦しむ夢。
普通じゃない自分のコンプレックスが作る夢だからいつも見るんだろうと、変われない自分の存在に押し潰されそうになる。夢のせいか今では高所恐怖症だが、部屋で寝転び窓の外の空を眺め鳥が羽ばたいているのを見るのが好きで自由に空を飛びたい自分もいる。いつか翼が生え自由に飛び回る夢を見れるだろうか。