そんな私の動揺を悟ったのか、ママが明るく喋り出した。
「そうそう、紹介するわね。私の娘の結姫(ゆき)チャンで〜す☆む・す・めよ!可愛いでしょ〜?」
カウンターの1番端っこに座っていた常連客が私を見て繋ぐように隣の客に顔を向けた。
「ママの娘とは思えないだろ?僕も初めて見た時は疑ったもんな。」
「あら、それどうゆう意味?」
常連客のマサル君とはもう何度か会って居たのでよく知っていた。マサル君といっても30代の冴えないオッサンだ。マサル君とママの冗談は続いた。
「どうせ結姫チャンは親に似ず可愛いですよ。どうせママはブチャイクですよ〜」
母は「どうせ〜」というのが口癖だった。