第二章
血と覚醒
『真幸!』
『凜華!!』
(あれ…俺何を…言ってんだ?)
凜華と呼ばれた青い眼の少女は敬介に駆け寄り、すがりついた。
『助けて…私は…』
『大丈夫だ!!お前はまだ助かる!!』
敬介、いや真幸と呼ばれる青年は凜華を強く抱き締めた。
(おいおい!!なんで俺がこいつを抱き締めてんだよ!!離れろコイツ!!!)
しかし敬介の意思とは裏腹に、敬介の体を支配している真幸はより強く凜華を抱き締めた。
『お願い…私を殺して…』
『何を馬鹿な事を…』
『お願い…私が心を失う前に…人間でいられる間に…私が真幸を殺す前に…私を…』
(あれ?今のは…)
敬介は気がつくと先程の鶴の間に倒れていた。
しかも目の前には日本刀が置いてある。
(さっきのは夢だったのか?それに何で日本刀が置いてあるんだ?)
数々の疑問が頭中に渦巻き困惑していると、どこからか少女の声が聞こえて来た。
「闘ってる人は武器を置いて一旦闘いを止めて、新しく参加した人は私の話をちゃーんと聞くのよ!!!」
敬介は辺りを見渡すが誰もいない。
「初めに言っておくけど…お前等はもう死んでいる!!」
少女は『お前等はもう死んでいる』という部分だけゴツい男の様に低い声で言った。
「あんた達は既に肉体から引き離された霊体なワケ。 だからーあんたらの肉体は私が預かってんだー
意味分かる?
つまり私からあんた達の肉体を取り返さないとずっとこのまま。
つまり死ぬワケだ。
でも私は優しく無いからね…
今いる50人の参加者の内生き返る事の出来るのは最初に私を殺した人ただ一人!!
しかも制限時間はあさっての正午までの48時間。」
(はぁ!?マジかよ!?生き返るのはたった一人って事は…50人皆が敵って事かよ…)
「まっそうゆう事だから頑張れー
あと5人の死神があんたらを殺しに来るから気を付けなよー
ばいばーい。」
少女の声は消えて再び鶴の間は静寂に包まれた。