『人と会って来るね』
朝、光太郎からおはようメールが来た後に返したのがこれだ。
何も知らない光太郎。
『いってらっしゃい(^O^)/』
さおりは罪悪感に近いような物を感じるようになっていた。
待ち合わせの時間まであと三十分。
さおりは化粧を済ませ、身だしなみのチェックをしていた。
(何か、デートみたい!)
浮かれてる自分を親に見られたりしたら恥ずかしいから、と言う理由で気付かれないうちに家を出る。
〜♪
『着いたよ』
一樹からだった。
『すぐ行きます!』
さおりは小走りになった。
待ち合わせしていた最寄りの駅に着くと、それらしき人はいない。
『どこですか?』
『レク○スって黒い車だよ』
(レク○スがわかんないし…)
と思いつつ、キョロキョロする。
(あ…!)
奇跡的にも黒い車が一台しか止まっていなかった。
そぉっと運転席を覗くと、見た目派手で怖もてな男性が乗っていた。
目が合うと、窓を開け、
「こっち」
と助手席を指差して笑顔になった。
(わ、笑うと幼い)
そのギャップにドギマギしながら助手席へ向かう。
「いらっしゃい」
「お邪魔します」
笑いながら乗り込む。
その後は電話同様、会話が弾んだ。