発狂のリズム?

光安俊彦  2007-07-16投稿
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父はあまりにも、テンションが高かった。
はじめは酩酊しているのかと思った。父のテンションと比例して、母の顔は険しくなる。
それまでははしゃいでいた妹も何か不穏な空気を読み取ったのか黙ってしまった。
タクシーに乗り込む。
タクシーのメーターは一万円を越えていた。不相応な金のつかい方に驚く。
母はおりようといった。父は笑うだけだった。

新しい家に向かうタクシーのなかで、胸を踊らせることはなかった。
外の曇天はニヤリと笑う。僕はやはりピエロを演じる。母の顔は決意に満ちていた。

家の数メートル前のコンビニまできたとき、父はタクシーを止めた。タクシーを待たせておく気だったらしい。金も払わず父は出ていったが、母は一万二千円を支払った。
妹はテンションを取り戻しコンビニに駆けていった。僕は母を待ってコンビニに向かった。
コンビニでは父がかごを二つ持ち、妹が一つ持っていた。そのどちらもいっぱいにおかしが入っていた。
「一人ひとかごな」父は言った。僕は、かごに一つおかしをいれた。
コンビニからでると、父はタクシーのないことに気付いて、激怒した。かと思うと高らかに声を出して笑い出した。長い時間だった。



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