「ねぇねぇみき〜みき〜、次の教室移動どこだっけぇ〜?」
声優さんになれそうな独特な可愛い、高い声で、友香が聞いてきた。
いつものことだ。
もういい加減覚えよーよー。
って思いながらも答えてあげる。
「2階総合教室だって〜」
あれから一人一人と新しい友達ができた。
今はあたし、桜、友香、ともの4人でほとんど毎日一緒にいる。
4人でひとつ。
いわば4こ1。
よんこいちってやつだ。
もちろんその中で順位をつけるとしたら桜が1番。
友香とともは合同2番。
別に友香とともがきらいってわけじゃない。
むしろ友達として大好きだし。
ただ一番はじめに仲良くなったのは桜だし、はじめて話かけられたからこそ、桜と一緒にいると一番安心できるんだよね。
友香もともも一緒にいて安心できるけどね!
そこら辺のちょっとした違いはかなりきわどい。
正直最初は、ここまで桜と信頼できる仲になるとは思わなかった。
ま、今じゃ仲良しだからそれでいいけどね。
「みーき〜〜!はやくー遅刻するよー!!」
って、今度は少しハスキーボイスのこの4人の中で一番大人っぽいともだ。
「はいはーい」
急いで授業の持ち物の教材とプリントを挟んだファイル、筆箱を持って、4人で遠慮なしに廊下を走った。
あたし入れて3人と桜の距離は意外に開いてる。
桜は小走りであたしらの後ろについて行くだけで精一杯そうだ。
しょうがないな〜。
一緒に走ったげるか!
少しスピードを落として桜の横に移動した。
運転音痴でもやっぱり女の子らしくて可愛いわ。
ってまた桜を評価。
「きゃっ」
やっぱりむりしたか廊下のど真ん中で桜が転んだ。
「大丈夫?!」
手から離した教材、筆箱、ファイルから飛び散ったプリントが廊下に散乱している。
あ〜〜……遅刻決定。
桜のドジさに少しあきれながらプリントを拾ってあげる。
………
……
…
ん?
横で、身長180以上はなりそうな先輩?(とりあえずタメではない)がプリントを丁寧に1枚1枚拾ってくれてる。
一応お礼はしとかなきゃ。
「っと、ありがとうございます☆」
まるで天使のようだったきれいな笑顔を向けられた。
そう、斉藤勇樹…
勇ましいってゆう意味とは全然マッチしない顔立ちや性格。
そんなあなたとの思い出はいっぱいでした。