星空の世界の下へ 2

ララリクロ  2007-07-17投稿
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【2】
走った。逃げるように。アイツから。あの恐ろしいヤツから。ずっと走りつづけた。呼吸をするのが辛くなり、足も限界だった。でも走った。走らなきゃ殺されると思ったから。

「はあ、はあ、はあ。ヤベェ・・・冗談じゃねーよ!!なんだよ、アレは!」

この世のものではないことはわかった。霊的なものか、あるいは死神か悪魔か。どっちにしろいいものではなかった。

俺は、いったん走るのをやめた。そして、後ろを振り向いた。

途端に血の気がひいた。ヤツはぴったりと俺の後ろについて来ていた。ニヤリと笑った顔は、暗い闇の中でもハッキリと見えた。

もう逃げられなかった。
足は限界を越えていたし、何よりもう逃げれる気がしなかった。

「その鎌で、ザックリいくのか・・・・。それは痛そうだ・・・」

覚悟した。多分、ここで人生は終わるんだと。こんなヤツに狙われて、生きられるはずはないと。

黒いモヤはすーっと、俺の方に寄ってきた。

終わった・・・・・。黒いモヤの鎌が振り下ろされるのがスローに見えた。だけど、こんどは自分の体も動かなかった。

「頭を下げて!!!!」

瞬間、そんな声がした。空耳かと思ったが、グイッと後ろから俺は誰かに頭を押された。

「こいつ!また、人を襲いやがった!何人目だ!バカヤロウ!」

そんな声が頭の上でした。・・・・・ん?なんか聞いたコトある声なんですけど?

「奏さん!!早く!また逃げられるよ!」

「分かってる!・・・今日は逃げられないよ!この野郎!私の知り合い襲って、ただで済むと思うな!アホンダラ!」

「か・・奏さん!言葉汚いですよ!女の子なんだから、もっと・・・」

「くらえ!この残像がー!!!」

ざんっと、何かを斬る音がした。

恐る恐る頭を上げると、黒いモヤはさあーっと霧のようになって消えていった。

「あ〜また霧になったぁ〜!逃げられた〜!!」

「何回目でしょうね〜?いい加減に観念してほしいです」

そう言って、二人は振り返った。そこには、よく知った友達の顔と、高校を卒業するまで一緒に暮らしていた妹の顔があった。

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