7月7日。
午前8時。
自宅。
《ピピピッ!ピピピッ…》
「…ぅぅん…」
目覚まし時計の電子音が頭の中に響く。
《ピピピッ!ピピピッ…》
「…んっ…ぅおら!」
〈バシッ!〉
目覚ましをだまらす。
「ったく!あぁ!?まだ8時じゃねぇか…このバカ!…ん?8時ぃっ!?ぅぉぁ!?」
〈ゴトッ!〉
ベットから床に落ちた。
「痛〜っ!やべぇ…また遅刻だ!」
おでこをさすりながら身支度をして、家を出てダッシュで学校に向かった。
俺の名前は荒木圭吾(けいご)16歳。高1だ。俺には親がいない。小さい頃に交通事故で亡くなった。今は一人でアパートに住んでいる。
??「お〜っす!圭吾ぉ!」
圭吾「っ!?大輔か?」
振り向くと、でっけーやつが後ろから走ってきた。
大輔「お前何しとんねん?遅刻やぞぉ?」
圭吾「おーい?そーいうおめーも遅刻だろーが」
大輔「え!?嘘やん!ホンマに!?やばいやん!?」
圭吾「はぁ…ほんっとおめぇにはついていけねぇよ…」
大輔「お?何かゆうた?」
圭吾「何も無ぇよ!さっさと行くぞ!!」
この天然クンの名前は石垣大輔(だいすけ)めちゃくちゃ背が高い。大輔にも両親はいない。こいつとは今まで学校やクラスでは離れたことがなく、出席番号はいつも俺が1、大輔が2という付き合いだ。だから大輔とは何でも話せる仲である。お互いの両親の事以外は…
あと、二人して最近ハマッたサバイバルゲームのよきライバルでもある。
学校が見えてきた。今の校舎は目立つ。少し前まで校舎は汚かったが最近、壁を真っ白に塗り替えた。うちの担任の先生によると何かの選考会があるとかないとかでまぁ外観ぐらいはキレイにしたらしい…
いやぁ、しかしなんともゴージャスだ。走って汗だくの二人を待つ校舎は門から窓縁から全てが真っ白で、初夏の太陽を浴びて白銀に輝いていた。