自分の部屋で、声を押し殺して泣いた。
『さおりん、彼氏と幸せにね』
こうちゃんが最後に私にくれた言葉。
本当に、そう思ってくれてただろうか?
私はただ、こうちゃんとの繋がりを失いたくなくなかった。
だけどそれはきっと、一樹さんだけじゃなく、こうちゃんも、両方傷つける事だったんだね…。
『誰かが幸せになれば、誰かが泣く。仕方ない事だ』
って一樹さんが言ってた。
それと同時に、
『せっかくの気持ちを無駄にしないように、これから俺らが幸せになろ?』
とも言ってくれた。
一樹さんは私が欲しがっている言葉を、次々と与えてくれる。
たくさん、愛してくれる。
「うっ、く…」
だけど、どうして?
何で涙が止まらないんだろう―?