ちえみが家に来た。
「藤谷さん、彼氏出来たって?」
部屋に入っていきなりこれだ。
「うん」
あれから三日が過ぎた。
「ちえみはそれ聞いて、こうちゃんの事だと思ったよ」
俺が机の整理をしてると、ちえみが後ろに立って言った。
「何で?」
(何でって…)
「知らないよ!」
俺が知りたい。
何でこうなってしまったのか。
「だいたいお前は何だよ。告白して来たかと思えば、メル友紹介するとか!」
「それは、こうちゃんが誰か良い子いない?って言って来たからじゃん」
…確かにそうだ。
何、八つ当りしてるんだ俺…。
額を手で支える。
ちえみが後を続けた。
「それに、こうちゃんの事諦められると思ったからだもん…」
(ちえみ…)
「っ…何なんだよ…」
何かムシャクシャする。
最近、こんなんばっかりだ。
「こんな事なら紹介しなければよかっ…」
ちえみの言葉を遮って
「ちょっとこっち来い」
手を引く。
「え?何?」
戸惑うちえみをベットに押し倒した。
「俺の事好きなら、慰めてよ…」
最悪だと思った。
けど、もうどうだって良かった。
「こうちゃん!」
ちえみが嫌がる。
「止めてよ!ちえみの好きなこうちゃんじゃない!」
…