星空の世界の下へ 5

ララリクロ  2007-07-18投稿
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【5】
「なあ、いい加減になんで帰るコトになってんのか教えてくれよ」
「着いたら話すわ。今ここで話してもわかってくれない」

そういうと鷹直は黙ってしまった。こいつはこんなに寡黙なやつじゃない。どちらかというと賑やかな方だ。だから、こんなに素っ気ない態度をとる鷹直は正直、気味が悪かった。

とりあえず俺も黙るコトにした。なんか慌ててる自分が子供っぽく思えたからだ。

ちなみに俺達は今、鷹直家の車で移動中。新幹線とかを使えばもっと早く着くのに、鷹直はそういったものは使わない。人が多い所は嫌うヤツなのだ。かれこれ、5時間くらい乗っている。

「起瀬野市よ。北斗君」

そんなこと思っているうちに俺達は起瀬野市に着いていた。

「うわ〜、着いちまった〜。どうするか〜?」
「普通にしてればいいのよ。みんな、事情は知ってる」

そういって鷹直家の車は市内の病院に止まった。

「着いたわよ」
「って、おい。ここ病院だよ。用事ってここ?」
「そうよ。黙って着いて来て」

こんなに冷たく怖い感じの鷹直は初めてだった。俺は言われた通りに鷹直のあとを黙ってついて行った。



「ここよ」

病院に入って鷹直は真っすぐに3階の病室に向かっていた。

「ここ?誰の病室?」
「北斗君。これから病室の中に入るけど、騒がないでね」
「いや、そりゃ騒がないよ。ガキじゃないんだし」
「・・・・わかった。入るわよ」

鷹直はドアを横に引いて病院に入った。




「うそだろ・・・・・なんで」

病室に入って俺は言葉を失った。

病室のベットに横になっていたのは、昨日俺を助けてくれた奏と姫灯だった。二人とも手やら頭やらに包帯を巻いて、点滴までしていた。

「な、んで?おかしいじゃん。昨日までこいつら元気だったんだぞ!!」
「静かにして。もう深夜よ。他の人に迷惑」
「そうよ。静かにしなさい。あなたの声、かなり響いてるわよ」

そういって病室に入ってきたのは、俺の母親だった。

「なんで、こんなコトになったのか説明します。座って、北斗」

俺の母親はそう言って、イスに座るように促した。




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