ハッハッハッハッ――――ハッハッ――――
どのくらい走っただろう、人気のない路地まで走り続けた。
『はぁっはぁっはぁっ、っん、くっっ、ぐっぅうっ』
男の子は泣いてた。
肩を大きく震わせ声を出さずに泣き続けた。
逃げようと思えば、いつでもそうできた。
手を握った時から恐怖も逃げようとする気持ちもなくなっていた。
でも
でも本当は、解っていた彼が殺したのは彼の父親だという事。
そして父親を殺したいと思い、本当に殺してしまったほど追い詰めさせた原因は私にある事。
自分と変わらない年の子供を金で買い、家族を裏切り、犯罪を犯してまでも脳みそが私の体を求めていた。
もちろん売春をしてるだけで罪になるがそれが未成年ともなると社会問題の的になる事は間違いない。
おまけに人の人生を狂わせた。
この人だけじゃないかもしれない、知らないどこかで誰かが私のせいで泣いてる・・・。
そう想い出したら、よけい彼のそばにいて、罪を償いたかった。
『いけよ・・・早く行ってくれ!!!
俺の前から消えてくれっ!!』!
そう言って泣き崩れる彼の背中に触れようとした瞬間だった。